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茅葺き屋根

by 川上 幸生

茅葺屋根の古民家はまるで昔話に出てくるような日本の原風景だと思います。

江戸時代は身分制度により住宅に使う材料も区別されていました。防火性に優れた瓦屋根は武士か、住宅が密集した町中の商家(町屋)にのみ許された材料で、農家は茅葺きか藁葺きの屋根にしなければなりませんでした。

しかし茅葺は世界最古の屋根葺き材であり、日本でも竪穴式住居の時代から使われてきた伝統ある屋根葺き材です。

現在は吹き替えに使う茅を生産する茅場の減少と、弱点である火に弱いことで都心部の防火の観点から建築基準法で定められる防火地域や準防火地域、第22条に定められた規定により屋根は不燃材で葺かなければならないという規定により茅葺は姿を消そうとしています。

しかし、茅葺きは循環型の建築であり、再活用可能な再生可能資材です。後世に引き継いでいくことは我々の使命であり、茅葺きを活かすことが地域の活性化にも繋がります。

茅葺きの家に入ってみるとその静けさにまず驚かされます。茅葺きのすぐれた断熱性は今さら語るまでもありませんが、それが通気性も兼ね備えている点を忘れてはなりません。現代のあらゆる建築材料と技術をもってしても茅葺きの持つ断熱性・保温性・雨仕舞・通気性・吸音性を兼ね備えた屋根をつくりあげることは並大抵ではありません。

しかし、手間はかかりますが田舎であれば残す価値のあるものだと思います。10月16日〜18日で宮崎で茅葺の技術の継承のための古民家茅葺講習(仮称)が開催される予定で、その座学のテキストを書かせていただいています。

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