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ガマンしない省エネ

by 川上 幸生

欧州は「暑さ寒さは人権問題」という意識があるそうですが、対して日本は「暑さや寒さ」はガマンでしのごうという精神論がまだ残っている気がします。しかしガマンは命の危険を伴う時代になってきています。昔に比べて日本は今暑いのです。

例えば、熱中症は家の中にいても起こります。先月8月5日から11日までの間に熱中症で救急搬送された人は全国で1万2751人(総務省消防庁発表)。その約4割は家庭内で倒れているとされます。

家庭内での不慮の事故によりお亡くなりになった方は2015年の厚生労働省のデータによると交通事故で亡くなった方が5600人に対して約2倍の13952人、ヒートショックの4分の1の割合ですが熱中症で年間1000人弱が亡くなっています。

しかも昼間だけでなく夜間でも家の中では熱中症が発生するのです。

昨日はエアコンについて書きましたが、いくらいい性能のエアコンをつけても住まい自体のスペックが低ければその能力を発揮することはできません。スペックとは断熱性能です。

日本の住宅の断熱性能は外国と比較して著しく低いレベルにあり、国土交通省による2012年アンケート調査によるとまったく断熱されていない「無断熱の住宅」が39%。ほとんど断熱されていない「昭和55年以前の断熱基準の住宅」が37%、合わせて76%。

日本の既存住宅のおよそ8割は無断熱のレベルであり、また冷暖房効果において重要な気密性能も低い。

「断熱」とは、建物の壁や床に断熱性能のある素材を入れたり、窓ガラスなどを二重にしたり、外部の熱を伝えにくくすること。

「気密」とは、建物の空気が抜けるすき間を少なくすること。

一般的に断熱・気密というと、冬の寒さ対策のように思われるが、夏の暑さ対策にも大いに関係がある。  

建物の断熱・気密性能が低いと、エアコンを稼働させても冷気の大半がすき間から抜けてしまい、なかなか涼しくならずに光熱費が跳ね上がるまた内部の熱(夏場は冷気)を留まらせておくことができないので光熱費ばかりかかって全然涼しく(暖かく)ならないということになる。

今年の猛暑はひとまず山場を越えたような気がするが、たちまち冬がやってくるし、地球温暖化の影響かわからないで極暑極寒の気象はこれからさらに激しくなっていくだろうからエアコンの設置や使用を前提にしながら、建物の断熱や気密性能をできるだけあげて、少ないエネルギーで快適な空間をつくっていく必要があると思います。

当社施行による古民家の断熱工事に様子

これから求められてくるのは、エアコン+建物という視点で新築住宅のみならず既存住宅も設計していく必要がある。断熱や気密性能を上げれば電気代の負担を下げて快適性を手に入れらるのです。室内環境汚染(空気を入れかえないと室内の空気が悪くなったり、揮発性有害物質やダニの繁殖などによる健康被害)の視点も無論必要にはなるが、

エアコンがあっても付けない「ガマンの省エネ」から、建物性能を向上させて「ガマンしない省エネ」へと変えていかなければならいのです。

一昨日茶室の設計にオススメの本をご紹介しましたが、1冊忘れてました。

淡交社建築部さんによる ほんとうに使いやすい茶室をつくる 戸建てやマンションなどの13の事例を美しい写真と間取りなどで紹介しています。予定がなくてもみているだけでも楽しい本です。

古民家の断熱や気密などについてはこちらからお問い合わせください。

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