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古民家は残せるか

by 川上 幸生

古民家は再生した方がいいか、解体した方がいいか、

古民家は価値ある建物です。

大工職人が手間をかけ、地元の良質の木材を使って時間をかけて建てた建物だからです。建物は時間をかけて建てた分長持ちすると思います。しかし適切なメンテナンスがおこなわれていなかったり、空き家になると建物は痛みます。

痛みのある建物を再生しようかと悩んだ際に多くの設計士や大工職人、建設会社は建て替えを進めます。

なぜなら、建物を客観的に評価して再生した場合のコストと、建て替えのコストを比較するすべを持っていないのと、再生する知識を持ち合わせていないからです。

そこで全国古民家再生協会では古民家の劣化状態や、耐震性能などをプロが調査する古民家再生総合調査報告というサービスを提供しています。

古民家の所有者はこの古民家再生総合調査報告を元に再生するか、建て替えるかの判断をし、古民家を購入したい方もこれを購入前に実施して、古民家の本体価格以外に修繕などにどのぐらいお金がかかるかを把握できるようになりました。

調査費用は30万円(税別)これは非常に安い金額です。建築士事務所などに依頼して同じような劣化調査をしてもらってもこの価格ではなかなか収まりませんし、耐震については耐震診断自体が難しいと思います。なぜなら古民家=伝統構法は現在残っているものは大きなものが多いですし、間取り図などはありませんので一から間取りを作成する必要もありますし、耐震について現在の耐震診断は在来工法の耐震診断方しかないのでこれで伝統構法の耐震性を測ること自体が困難なのです。

国土交通省は空き家の増加を抑えるために中古住宅の流通の活性化に取り組んでいます。その中で建物のコンディションを調査して安心して購入できる仕組み作りを進めています。それがインスペクションと呼ばれるプロがおこなう建物の品質検査です。

ただ現在のインスペクションは在来工法の建物を昭和56年度以降の新耐震基準と呼ばれる耐震強度を持ったものかどうかを調べることが主眼で、建築基準法のできた昭和25年以前にすでに建っていた古民家を調べる項目はありません。

現在の住宅は耐震的設計で、地震の際に揺れないように造ります。しかし古民家は伝統構法と呼ばれる工法で建てられた地震時にはゆっくり大きく揺れて地震の力を逃す免震的(制振的)建物です。

つまり、同じような骨組みですが、地震時の挙動は真反対なのです。免震的構造の古民家を耐震的構造の現代の住まいに改修することは簡単ですが、それでは長年地震に建ててきた実績のある古民家ではなくなってしまいます。

古民家の良さと強さを活かしながら再生することが可能かを判断するのが古民家インスペクションであり、

それができるのは全国でも数少ない人間しかできません。

愛媛県での古民家の調査や再生についてのお問い合わせはこちらまで…

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