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海鼠壁と虫籠窓

by 川上 幸生

古民家の壁について…

●海鼠壁

外壁の腰周りに平らな瓦を張付けて目地を漆喰でかまぼこ状に盛り上げる仕上げを「海鼠壁(なまこかべ)」という。土壁の雨がかかる部分の保護を目的におこなう。四半張り、亀甲模様、七宝模様、馬乗り目地などのバリエーションがあり、盛り上げた漆喰の形が海の「ナマコ」に似ている事から名付けられている。

●虫籠窓

虫籠窓(むしこまど)とは、主に漆喰の「塗屋造り(ぬりやづくり)」と呼ばれる町家建築の厨子二階部分に、縦に格子状に開口部を設けた固定窓のこと。漆喰を塗り回され、防火と採光、通風を目的としたもの。

初期は楕円形の小さいものが多かったが、明治の頃のものは矩形の大型のものに変り、その形からも建築年代が大雑把に推測できる。虫籠窓の分布は近畿圏が中心で、中国・四国地方の瀬戸内地域、北陸や東海地方の一部でも見られる。

●鏝絵(こてえ)

漆喰の装飾の一つで壁面に鏝を使い立体的な図案を漆喰で描く事。着色のために漆喰に絵の具を混ぜたり、漆喰の上にニカワを塗って着色させる方法がある。大分県の安心院町(あじむまち)は約100カ所鏝絵が現存しており、また大分県内では600カ所保存されていて全国約3000カ所残っていると言われる鏝絵の2割が大分に集中して残されているが、これは安心院近辺に長野鐵道、山上重太郎、佐藤本太郎などの腕のいい左官職人がいた為といわれる。

鏝絵の題材は福を招く花鳥風月などが中心で、着色された漆喰を用いて極彩色に表現され、財を成した豪商の富の象徴でもある。漆喰は江戸時代に防火対策として幕府が奨励し広まった。江戸時代中期から鏝絵は全国で盛んになり、静岡県松崎町出身の名工、入江長八が芸術の域にまで昇華させ、戦後は幻の技巧と言われたが、近年再評価され、入江長八の故郷の松崎町では、毎年「全国漆喰鏝絵コンクール」が開催されている。

愛媛では内子町の街並みが有名ですね。

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