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ひと段落

by 川上 幸生

昨日お披露目のお茶事はひと区切りつきました。

客を一回、裏方を五回経験させて頂きました。朝下地窓に簾を掛け、露地草履を置き、石に水を打ちます…

石は乾いた色より水に濡た色が美しい、お客様が露地に出るタイミングを見計らい何度も水で濡らします。玄関の前も水を打ちます。先生がほとんど準備されるのですが、畳に掃除機をかけたり、お食事の時にお椅子に座られるなら机を準備します。

門の扉が少し開いているのは準備ができたのでどうぞお入りくださいと言う事です。

準備を整え、時間少し前に表に出てご案内。玄関に入られる時に「ドキドキする、楽しみ〜」と言われたのを聞くとこちらもできる限り精一杯おもてなしを差し上げたいと思います。

待合にお通しして白湯を飲んでいただいている間にもう一度露地の石に水を打ち、タバコ盆などの確認。皆様揃われてご準備ができたらご案内。畳の廊下を歩いていただき露地に出て外待合でお待ちいただきます。先生が躙口からお迎えに出られ、皆様蹲で清められ躙口から小間へ…小間を拝見頂き広間へ…広前の入り口でお待ちして入り口をご案内。

広前を拝見頂き、先生が炭点前。炭点前されている間に裏方は用意頂いたお弁当を頂きます。

炭点前が終わるとお食事です。今回はコロナ対策で懐石のお弁当。机とお弁当をお運び。

お食事中も建築についてのお話を少しさせて頂き、お菓子が出るタイミングで露地の水打ちや露地草履の移動など…

中立ち頂きその間にお茶の準備、お食事もお菓子も全てはお茶を美味しく頂いていただくため…

濃茶は先生が、お薄は正太さんがお点前。正客さんにはお点前されたものが出ますが、後は裏で点ててお出しします。襖は閉められているのでお点前の進み具合を耳で聞き裏でもお茶碗を温めてお茶を点てます。タイミングがちょうど良ければ裏方も物凄く気持ちがいいのです。

お薄が終わればお茶会は終わりますが、薄茶の間に玄関とアプローチ、露地の水打ち、

お茶会終了後に小間や立礼、露地などをご説明しながら見て頂き、お荷物を取りに待合に行かれたたら玄関やアプローチで乾いている部分はないかを確認してさらに水打ち…

お客様から見えないように気配を感じて動きおもてなしをする…日本的な気遣いですよね。

今回お手伝いさせていただいた事で建築とそこでされるお茶事を結びつけることができました。畳廊下の掃き出し窓から綺麗な露地が見えるのですが、お茶事では簾をかけて見えにくくします。何で簾がいるだろうと思ってましたが、簾をかける事でお客様は露地に降りて広がる景色に感動できるし、裏方は簾越しに外待合に何人いらっしゃるのか、皆さん席入りされたのかなど確認できます。全てのものに理由があることがわかりますし、ただ書籍や教えてもらってここにこれがいると言うルールではなく、実際に体験することでなぜそうなのか、何のためのものなのかがよく分かりました。こんな学びができて本当に幸せです。

2年前にはこんな素晴らしい経験が出来るとは思ってもいませんでした。本当に先生には感謝しかありません。来月からはまたお稽古が始まります。もっといいおもてなしができるように精進しなければ…

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