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昔と今の住まい方の違い

by 川上 幸生

昔と今の住まい方の違いについて。現在の住宅は、アルミサッシや断熱材などを使い気密性が高く、外部と内部を遮断し空調を用いて年間の温度差を少なく快適性を保ち、個人のプライバシーを尊重する家です。

一方、伝統構法は高温多湿の日本の気候風土に合わせ、床下の通風、長い軒の出を持つ屋根、襖や障子などの開放性の高い間取りで、夏を快適に過ごし、自然とのつながりを重視し人とのつながりを大切にする住宅なのです。今の家は戦後の欧米の思想が取り入れられた個人のプライバシーを重視した就寝分利の住まいです。就寝分離とは、睡眠を取る場所や団欒、家内仕事などを各々の部屋で分ける事や、親と子、男女で部屋を別にして寝ることです。

戦後、欧米の個人主義の考えと共に就寝分離の考えで間取りが変化しました。この間取りの変化については、昔の住宅は農村民家の田の字型を始め建物内部には廊下のない間取りであったものが戦後欧米の思想が入り、中廊下型の間取りへと変化し、現在各個人の私室を持つ総2階建ての間取りへと変遷をしてきています。昔の家はひとつの和室で食事し、団欒を行い、就寝できる就寝一体の住まいであり、住宅規模を小さくもできるのでエコな住まいでもありました。

現在の住宅は間取りの中心にLDKを設け、キッチンもリビングに直結した重要な場所ですが、昔の住まいは水回りは建物の北側に竈(かまど)が作られ脇役とされていました。夫婦で奥様のことを妻と言いますが、妻の語源は、建物の端という意味を持っており、女性はいつも建物の端にいたために妻というようになったといわれます。また衛生面や建物腐朽(ふきゅう 腐ること)から厠(かわや トイレ)と湯殿(ゆどの 浴室)は別棟で建てられました。

詳しくは壱の六 古民家の定義P35をご覧ください。


川上 幸生
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