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熊本大分報告書

by 川上 幸生


平成28年4月14日に熊本県を震源とする地震は、熊本県だけに限らず大分県にも被害をもたらし、多くの家屋が倒壊し未だなお続く余震により油断が出来ない状況です。また現在も復興を続けられておりまだまだ支援は必要です。

一般社団法人全国古民家再生協会では、私も資格を持っておりますが全国にいる古民家動的耐震診断士に声をかけ、被災された皆様の住宅(古民家)の耐震診断を事前にインターネット、地域のマスコミに協力を得ながら耐震診断が必要な伝統工法の住宅を募集し、希望物件の中より熊本・大分の当協会の支部にて現地を事前に調査し倒壊の恐れのあるものや建築士会等により立ち入りが制限されたもの等に関しては調査員の安全確保の観点からお断りをさせていただき物件を選定し、16名の資格者が5月11日12日の両日無償で実施しました。

私自身は現地の診断にはおもむきませんでしたが、今回皆様の活動をまとめるべく、報告書の作成をさせていただきました。全ての診断結果と耐震改修結果をまとめたかったのですが、紙面の関係上熊本県上益城郡御船町陣 T邸と、大分県別府市 O邸を取り上げ、古民家動的耐震診断、診断結果に基づき、時刻歴応答解析を実施して耐震補強計画と実際の耐震補強までを記載しています。


また無償耐震診断を受けた消費者の声と現在行っている古民家の空き家を一定期間被災者に無償貸与する取り組みも紹介しています。

診断結果において補強が必要と判定された大分県の2物件に対しては「古民家耐震パネル型面格子壁(2015年度グッドデザイン賞受賞)」を無償にて取り付けさせていただきました。今回は滋賀県と栃木県のハンドプレカット工場で製作したものが使われました。


古民家は地震に弱いのでなく、長年の災害を乗り越えた実績のある建物です。しかし、今回の地震を機に、古民家が弱いと言われるのは心外です。

ソーラーを屋根に乗せた建物は重心バランスが悪く被害を受けた。

伝統工法と在来工法の混構造住宅は固有振動数の狂いが出て被害が大きくなった。

メンテナンスがされていない伝統工法、在来工法はともに地震による被害が大きかった。

などが今回の耐震診断で見えてきました。これらのデータは古民家を安全に改修するための基準「再築基準」に活かしていきます。



川上 幸生
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