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ミツバチの減少

by 川上 幸生

イギリスのCentre for Ecology&Hydrology(CEH)の研究者は18年の長期にわたってハチの分析をおこない、野生のハチの個体数が年々減少している原因の半分は農薬として世界で広く使用されている「ネオニコチノイド系殺虫剤」にあると発表しました。この「ネオニコチノイド系」という農薬、日本ではシロアリの駆除薬として広く使われています。


論文の共同執筆者であるニック・アイザック博士は「これまでに報告されていた負の効果は長期にわたって拡大していきます」と語る。

調査期間中にイギリスに生息する62種類のハチのうち34種類が個体数を10%減少させており、また、5種類のハチは20%以上個体数を減らし、最も影響を受けた種類に至っては30%も個体数を減少させているそうである。

「ネオニコチノイド系」薬品は、害虫に対して少量で高い殺虫効果を示す神経毒であり、効果が長期間続く残効性に優れており、水に溶けやすく殺虫成分が根や種子などから作物全体に移行する浸透性を持つという優れた特徴から農作物を始め広く使われている。即死はさせないが、ミツバチの神経系に打撃を与え、帰巣などの行動ができないようにして、群れを崩壊させてしまうようである。

日本では2000年代に入って使用量が急増し、2007年には400tを超えた。その後はほぼ横ばいで2010年は407t。もっとも、殺虫剤の種類別で出荷量が最大なのは有機リン系の2,743tで、「ネオニコチノイド系」は3番目。有機リン系が今なお大量に使用されている日本は、EUより遅れている。


製造メーカーは人体には無害というものの、平久美子医師(東京女子医大講師)によれば、「ネオニコチノイド系」殺虫剤の人体への毒性は有機リン系とほぼ同等で、人体に摂取されると、中枢神経系や自律神経系、骨格筋に関連する多彩な症状を引き起こし、脈の異常、指の震え、発熱、腹痛、頭痛、胸痛などのほか、短期の記憶障害も起き、胎盤を通過するから、妊婦が摂取すれば胎児が影響を受ける可能性が高い。ちなみに、日本の農薬の安全性審査では、子供の脳の発達に与える影響などは全く調べられていないそうである。


これが家の床下に使われているのに、家の中は安全と言い切れるのだろうか。

シロアリは住まいを食害するために害虫と認識されているが、自然界の中では木材の腐朽を助け、森を豊かにする益虫である。害虫、益虫は人の利害によって変化するものである。


シロアリの多くは木材が湿気を帯びないと食害することはできない。床下を湿気の少ない状態にすることでシロアリの食害を発生させないように薬剤を使わなくてもコントロール可能なのである。ただそれをやらないのはめんどくさいというだけであり、めんどくさいからしない代償として薬剤の及ぼす害を容認しているということだ。

ミツバチが減少しているのがなぜ問題なのか、ミツバチは農作物の受粉をしている。世界の食糧の90%を供給している約100種類の作物のうち71種類がミツバチの受粉によるものと試算されている。ミツバチが死滅すれば農作物が収穫できなくなり、やがて人も死滅する道を辿るのだ。

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川上 幸生
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