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30数年ぶりツクル

by 川上 幸生

毎年誕生日は会社のみんなが何かケーキとプレゼントをしてくれる。何が欲しいか聞かれるので、昨年は黄色と青のクロックスと、ガンダムの印鑑置きを頂いた。今年は何がいいと聞かれてお願いしたのがこれ…

SUZUKIというメーカーのGSX750Rという市販車をヨシムラがチューニングした1986年の8耐仕様のオートバイのプラモデル。知る人は知るレジェンドバイクです。

当時19歳の青年はこのバイクに憧れて限定解除をしてフルローンで買って、お金もないのにヨシムラのマフラーや、バックステップ、ブレーキフルードのカップやステンレスのメッシュホースと…(マニアック過ぎて伝わらないと思いますが、要はレーサーがつけてる部品に似たものにパーツを交換してカスタムしながら) 気分だけはレーサー気取りでした。

プラモは中学時代いわゆるガンプラ世代でしたが、作るのが面倒で友達に作ってもらったクチですが、29歳で松山に移住して早20年…中学時代の友達は当然大阪にいるし、ここ数十年あっていないので、いきなり大阪まで行って、

「やあ、◯◯君久ぶり、子ども何人❓、仕事何してるの❓。ところで悪いんだけど、またプラモお願いしてもいいかな❓、出来たらLINEして」

とはいい大人が言えまい。ここは自分の技術が試される時なんだと作り始めた。

中学時代に比べたら塗装のコツも知っているし、長年本屋の立ち読みで身につけたプラモ作りの知識の量はハンパないはず。多分最高の品質のものが出来上がるはずである。

そして中学時代とは桁違いの資金力がある。塗料と絵筆とAmazonレビューで一番評価の高かった接着剤も取り寄せて、フェアリングは中学時代には手の届かなかったあの缶スプレーを使い、合わせ目はパテをして、ペーパーで磨き上げる予定だったのだが…

思わぬトラブルが発生したのだ…

なんと、部品が小さ過ぎて良く見えない…
10代とは桁外れの知識と資金を持ちながら、まさかの障壁が老眼とは…

伏兵は本能寺にも、周りの環境にあるのではなく、自分自信の中にいたのである。

ということで完成まで半年かかり、予想していたクオリティとは程遠いものとなったのだが、完成品を目の前にしても、ぼんやりとアイドルのプロフィール写真のようにいいボケ具合で見える。老眼は製作中だけでなく、完成後もそのまんまなので、自分で楽しむ限りはやっぱり最高のクオリティに見えるから、我ながらご満悦なので良しとしよう。


川上 幸生
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