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アメリカの不動産評価

by 川上 幸生

不動産、特に建物は日本においては固定資産税の評価額が基本となり売買の際には取引される。
固定資産税が年数が経つほど低くなり、木造家屋なら20年かそこらでほぼ価値を無くす。

税金面で考えれば、税額が低くなるので歓迎すべきことだが、売買しようとして時には土地の値段だけで
の取引となり、せっかくいい家を建てて、愛着を持ってメンテナンスしてきたのにその苦労が報われないと
がっかりすることになる。ちなみに固定資産税の評価の基礎となる減価償却法を不動産の評価に用いているのは先進国の中では日本ぐらいなもののようだ。

平成21年に作った古民家鑑定士という資格では、いい素材で職人が手間をかけて長年維持されてきた古民家の価値を見直したいと古民家鑑定という仕組みを作り、固定資産税の評価によらない独自の査定額を調査報告とともに表記をし、それが売買の際のデファクトスタンダードとなりつつあると確信している。

アメリカの不動産売買での鑑定評価は課税、金融担保、相続、不動産取引のために毎年、あるいは権利移動の際に行われるが、評価の基準となるものには3つの視点があるようだ。

原価評価法
住まいの価値をその住まいの需要があるのなら建築の経過年数にかかわらずその住宅を現時点で建築した場合に要する推定再建築費で評価する方法。
アメリカは工賃と材料費は分けて見積書が作られ、請負契約においては設計図よりも見積書の方が重要視される。見積書は大切に保管され、取引時点での単価を入れれば再建築費用がはじき出される。

相対販売価格評価法
金額では評価できないデザインや機能、性能を評価する。3年ごとに取引に通用する交換価値を尺度化し、取引価格と相関させ社会的取引平均価格=自然価格に活用する。この評価の中には防犯などの評価が影響する。つまり犯罪に対して強い住宅は価値が上がるということになる。

収益資本還元評価法
ずばり収益性、資産運用による利益を評価する。

アメリカは金融機関が不動産を常時評価し、市場価格と住宅ローンの残債との差額を純資産としてそれを担保に貸し付けなども行なっている。この市場価格の評価を行うのが不動産鑑定士の役割のようである。

参考文献 フローの住宅・ストックの住宅 戸谷英世氏 より


川上 幸生
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